安藤 広道 教授

日本考古学・博物館学

身近にある考古学資料や物質文化資料を分析対象とし、その成果を大きな歴史学的枠組みのなかに位置付けていくというのが、研究の基本スタンスです。慶應義塾には、三田キャンパス、日吉キャンパスを中心に、先史時代から現代に至る多種多様な資料が存在しており、研究する意義が見いだされたものなら何でも、時代を問わず研究対象にしています。現在は、日吉や三田の近現代、特にアジア太平洋戦争に関わる建造物の調査・研究にエネルギーを注いでいます。こうした研究の成果を軸に、日吉や三田という場に集う、さまざまな立場の人々の歴史的言説を絡み合わせたパブリックヒストリー的活動を展開したいと思っています。

アジア太平洋戦争期の戦争遺跡をつなぐ公共考古学的活動

慶應義塾大学日吉キャンパスには、アジア太平洋戦争末期に構築・使用された連合艦隊司令部の地下壕が残っています。この遺跡を出発点として、沖縄戦で相互につながっていた南九州と沖縄の戦争遺跡に対象を拡げ、そこに各地で戦争や戦争遺跡に関心をお持ちの方々の諸活動の記録や発信を結びつけていく公共考古学的活動を展開しています。今後は、アメリカや台湾、中国とのつながりも模索していく予定です。

これまでの調査・研究、活動の成果

キャンパス内の遺跡の学術調査・記録保存調査、研究室保管資料の整理

2006年以降、三田キャンパス、日吉キャンパス、矢上キャンパスでさまざまな発掘調査を行ってきました。また、研究室に保管されている考古学資料の整理も進めています。

三田キャンパス

日吉キャンパス

矢上キャンパス

研究室保管資料の整理